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2023-01-28

心を落ち着かせる一歩前は、プラーナヤマ(調気法・呼吸法)

こんにちは。

このところ空気がひんやりしていますが、朝ヨガに行く際に自転車を走らせながら深呼吸をすると、透明感のある空気が内臓を元気にしてくれるような感覚になるときがあります。

私達が、生まれてから息を引取るまで無意識に行なっている呼吸について、記事を書きたいと思います。

プラーナヤーマとは?

ヨガの中で「プラーナヤーマ」と言う呼吸に意識を向ける練習法があります。「調気法(じょうきほう)」や「呼吸法」と訳されることが多いです。

プラーナヤーマはサンスクリット語なので、語根に分けてみるとこのような意味があります。

プラーナ:気息、呼吸、生命エネルギー

ヤーマ:コントロールすること

何気なくヨガクラスの中で行なっている呼吸法が大切な理由は2つあります。

一つ目は、呼吸は身体と心をつなぐ役割があるからです。

ヨガの根本経典『ヨーガ・スートラ』に記されているヨガの修練の段階は、日常生活での心構え  → ヨガのポーズ  → 呼吸法 → 瞑想という順番で進んでいきます。

シンプルに置き換えると、身体  → 呼吸 → 心(脳)の順です。

身体は、体温調整のために汗をかくなどの、身体の内部機能を一定に保とうとする恒常性維持機能によって「元に戻ろうとする(変化が遅い)」特徴があります。また五感を通して「臨場感を味わいやすい(取り扱いやすい)」です。

一方、心(脳の情報処理)は、モンキーマインド(仏教では猿は落ち着きがない心の象徴とされています)という言葉にも現されるように「すぐに動いてしまう(変化が早い)」「つかみどころがない」特徴があります。

いきなり、心をコントロールする瞑想をするのは難儀ですが、身体  → 呼吸 → 心(脳)というセオリーに沿って、身体を整え、呼吸に意識を向ける練習をしていくと、フッと静かな心に戻る感覚を味わえるようになる、というのが、ヨガの先生方が実践を通して辿り着いた方法論なのです。

瞑想の目的が、心を落ち着かせることだとすると、その一歩前がプラーナヤーマ(呼吸、生命エネルギーをコントロールすること)なのです。

もう一つの理由は、「呼吸法」をすると自律神経の調整になるからです。

ヨガクラスでは、吸う息吐く息、それらの間にある息を止めること(クンバカ)を動作に合わせたり、3つの順番、テンポをコントロールすることを通して呼吸を深めていきます。

意識的に息をすることが「呼吸法」

無意識に行なっている息が「呼吸」

「呼吸法」を行うことによって、「呼吸」が変わっていきます。自律神経の働きを自分でコントロールできるのは、唯一「呼吸」です。そう考えると、「呼吸法」を練習することは自律神経の調整になる訳です。

呼吸が浅い… 場合はどうすれば良い?

さてさて、呼吸が大切とは分かっていても、

呼吸をコントロールどころか「自分は息が浅いんです…」と呟く人も多いと思います。

実はこの問いにも同じセオリーで応えることができます。「息が浅い」と自覚していていても「深い息をしよう!」という心がけ(脳で思う)だけでは、三日坊主の勉強やダイエットと同じで、確かな手触りは感じられないものです。

「息が浅い」の原因は、もしかしたら、

  • 呼吸筋が強張っているかもしれません
  • タスクが多く(感じていて)所作がセカセカしているかもしれません
  • 心配事があるからかもしれません

そんな風に見立てたとしたら、まずは身体(行動)からアプローチすること!心配事について考える時間、「息が浅い」ことについて悩むのは一旦後回しです(笑)

  • 呼吸筋が弾力を取り戻す動きをする
  • 日常の所作をゆったり(意図的にゆっくり)する
  • 予定を(適切な量に)減らす

実践できることを繰り返して、習慣化すると、身体は覚えて変化していきます。そうすると意識せずとも自然な深い呼吸に

環境の影響で小さな時から呼吸法をしている人と、大人になってからヨガを始めた人とでは身体機能が違うとインドのヨガの先生から伺ったことがあります。一方で、私の母が亡くなる2日前、ベット側で妹と一緒に数時間過ごしたのですが、母の呼吸は、時々つかえながらもゆっくり深く、生きるために呼吸をしているのか、呼吸のために生きているか分からないくらい呼吸と身体が一体、そんな姿が目に焼き付いています。

人と比べると、気持ちは「もっと上手に!」「早く出来るように!」と先走りがちですが、今の自分の機能を最大限に使い切って呼吸をすることを一歩一歩していきたいですね。

まとめ

プラーナヤーマの意味や、ヨガの修練の段階からプラーナヤーマの位置付けについてお伝えしました。

実際は、身体と呼吸と心はプツプツ分かれているものではないので、同時に取り扱っていくものです。

ですが、先人が示してくれた道筋を参考に(『ヨーガ・スートラ』はAC400~500年に編纂された文献です)してみると「自分で勝手に飛び級しようとしていないか?」「行動より頭の方が働き過ぎていないか?」気づくことができるかもしれません。

 

ヨガクラスでは、実践を通して、自然呼吸がのびのび行えるよう一緒に練習していきましょう!

 

 

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