toggle
2025-06-27

ヨガで腰痛は改善する!?モーターコントロールエクササイズとしてのヨガ

ヨガをはじめるきっかけの一つに「腰痛を治したい」という方も多いのではないでしょうか?

森下のヨガ教室アートトに通ってくださっている方の中にも、10回ほど通った頃に「気づいたらコルセットをしないでも大丈夫になりました」とか、「ロキソニンシートを貼らなくなりました」という声をいただくことは少なくないです。

実は、ヨガの講師をしている私自身もヨガをはじめる前は反り腰で、ずっと立っていたり、たくさん歩いただけで腰が痛くなることがありました。姿勢の悪さや疲れやすさの原因が「どうやら、身体の動かし方にコツがあるらしい」そう思って、ヨガをはじめたことを思い出します。

さて、どんな訳でヨガをすると腰痛になりにくい身体になるのでしょうか。

モーターコントロールエクササイズ

実は、私は、少人数制のヨガクラスでみなさんとヨガをしている中で、ヨガのポーズをただ「自分なりに気持ち良く行う」だけでは、怪我をしてしまったり、姿勢の癖がなかなか取れないことに気がつきました。そして、どうしたら日常生活での再現性高く「身体の上手な使い方」をお伝えできるか考え、解剖学と怪我について学びはじめました。

2021年から学んでいる「スポーツ医学アカデミー」では、腰痛(腰椎分離症、仙腸関節障害、坐骨神経痛、狭窄症、椎間板ヘルニア等)に関わらず、変形性股関節症、前十字靭帯損傷、五十肩など、起こりやすい怪我とその予防やリハビリについて学びました。

ひとえに腰痛といっても、運動やセルフケアで改善するものと手術や経過観察が必要なものや時期があることを知りました。そして、何より印象に残っていることが、第一線の整形外科の先生方(どの部位の専門であっても)や理学療法士さんが、怪我や痛みの予防や再発を防ぐための根本改善に「モーターコントロールエクササイズ」が有効だと考えていることです。

「モーターコントロールエクササイズ」は、動作のはじめにインナーマッスルを働かせ、アウターマッスルの過活動を制御する運動学習です。ヨガやピラティスは、まさに「モーターコントロールエクササイズ」で、トップアスリートの中にもヨガやピラティスを実践している方が多いことも頷けます。

私の腰痛を感じなくなった理由の一つが「インナーマッスルの先行収縮」がハタヨガ のメソッドに組み込まれていた(呼吸と動作のタイミング)ということが理解できました。

実際にモーターコントロールをクラスに取り入れたところ…

3年前くらいから「モーターコントロール」の視点をヨガクラス のプログラムに取り入れたところ、痛み止めを飲むしかなかった方の腰痛がなくなったという報告を以前より多く受けています。また、なかなか改善が見込めない方の中には、アウターマッスルを過活動させる姿勢や動作(運動習慣)がレッスン以外の時間に長時間、あるいは繰り返し行われていることが原因ではないかと、参加者のお話を伺うことによって分かってきました。

大切なことは「繰り返し」の運動学習

「モーターコントロール」が無意識にも働き、運動時や日常生活で怪我のリスクを減らしパフォーマンスを向上させるためには、

いちに、身体の構造を理解して適切に動く

そして、適切な動き方を繰り返すことが大切です。

運動学習とは、脳と神経の学習といっても良いかもしれません。

ヨガは、聴覚と視覚で捉えた情報を身体動作に落とし込み(運動神経を働かせ)体感する(感覚器官を働かせる)エクササイズですがさらにインストラクターがお一人お一人の動作を確認しながら声掛けする少人数制ヨガクラスの環境が、間違った動かし方のパターンを変えていく練習になっているように思います。

再発予防にも

また、「モーターコントロールエクササイズ」の考え方は、整形外科や接骨院等で何らかのリハビリ治療中やリハビリ後の参加者も、身体的・精神的に負担なく並行して進められることにも利点を感じています。

身体は、姿勢も生理作用も、絶えず動的にバランスを保っています。

痛みや症状がある部位を調整すると、その影響を受けて全身の姿勢に変容が起こります。みなさんも経験があるかもしれませんが、画像で見ると患部は良くなっていっているはずなのに、自分では違和感を感じたり、全身の感覚としてはアンバランスに感じることもあるかもしれません。またそもそも痛みがあった場所の代償をしていた身体の動かし方を変えなければ、私たちが環境に適応しながら生き延びるために働くホメオスタシスの働き(恒常性維持機能:元に戻ろうとする作用)で、痛みを作った元の状態に戻るのが早くなります。

専門家の元で治療を進めながら、モーターコントロールを意識したヨガで全身を調整し怪我の治癒をスムーズしたり、回復後に再発予防をすることは、とても前向きな身体へのアプローチだと私は考えています。

(安静時痛や炎症がある方は、時期尚早の場合もありますので、医師の許可を取ってからのご参加をお勧めします)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です